白内障手術
白内障について
40歳を過ぎると目の老化が目立ってきます。最も多いのは老眼ですが、白内障も増えてきます。白内障は老化現象のひとつで、目のレンズの役割をしている水晶体が白く濁ってくる病気です。
老化以外の原因としては、目の病気やけがなどの外傷、糖尿病などの疾患があります。中高年の白内障の割合は40代で40%、50代で60%、70代以上では90%以上といわれています。
症状としては、初期の段階ではほとんどありません。進行がするにつれて目の疲れやかすみなどが表れるようになり、さらに進んで重症化すると目が見えなくなってしまいます。
白内障を放置しておくと、緑内障などの合併症を引き起こす確率が高くなるので十分な注意が必要です。
白内障手術を受けられる方へ
手術ガイダンスシステムを使用して白内障手術を行います
当院では、レーザー白内障手術に加え、手術ガイダンスシステムを使用して日帰り白内障手術手術を行っています。
検査では、「ARGOS」という検査機器で白内障手術に必要とされる眼軸長(眼球の長さ)を測定し、患者様の眼を高解像度のデジタル画像で撮影し、患者様の眼の特徴を認識します。
このデータをもとに、患者様の眼の状態に適した手術プランを構築し、作成された手術計画データは手術室に送信されます。
「VERION」という検査機器のイメージガイドシステムによって、角膜の切開位置、眼内レンズ(人工の水晶体)の軸や固定位置などが実際の患者様の目にオーバーレイ(重ねて表示)されたうえで、手術を行います。
手術中は、灌流制御システムを搭載した「CENTYRION」という機器を使用し、変化する灌流圧を自動的・継続的にモニタリングして、眼内圧の変動を抑制します。
また、顕微鏡は最新の「Revalia」を導入しております。
コンピューター制御された灌流制御システムが手術中の眼内圧変動を抑制
■眼内圧変動を減少させるシステム
白内障手術中の眼内圧変動を減少させる独自の灌流制御システムを搭載しているため、手術中の眼内圧を常に一定に保つ機能があります。 それにより、従来の機器より低い眼内圧で手術を行うことができ、手術中の眼内圧の変動を抑えることで、目に優しい手術が行えるようになりました。 眼に対する負担と白内障手術の合併症である後嚢(こうのう)破損が圧倒的に起こりにくく、術中合併症の危険性が減ります。
■トーショナルフェイコによる水晶体破砕
CENTURIONの超音波発振機能であるトーショナルフェイコ(横方向の超音波発振)により、水晶体を短時間で効率よく砕くことが可能です。 白内障が進行した固い水晶体核にも対応ができます。また、処理時間が短くなったことにより、切開創付近の摩擦熱による温度上昇が抑えられ、創口熱傷の発生リスクを低減します。
高度なSS-OCT(光干渉断層撮影)技術により精度の高いデータの取得
■精度の高い眼軸長データの計測
ARGOSR Ver.1.5は区分屈折率を用いたセグメント方式を採用することで、より精度の高い眼軸長データの計測が可能になりました。 さらに高度なSS-OCT(光干渉断層撮影)技術により、白内障の症状が進んだ目でも高い測定が可能です。 また、1秒以内という短い時間でさまざまな眼球パラメーターを測定することができるため、測定結果がばらつくリスクを低減することができます。
■手術イメージの作成
白内障手術に必要とされる眼軸長を含む生体計測結果のデータを測定します。 これらの測定をすると同時に、高解像度のデジタル画像で高速で患者眼を撮影します。このデータを基に、患者眼の「認証」を行い、手術イメージを作成します。
■手術のプランニング
患者眼の認証によって、レンズの度数や乱視用レンズの度数決定を行います。 また、手術後の残存乱視を最小限にするために、乱視用レンズの円柱度数決定、最適な切開位置の調整などを加味し、1人1人の患者様に対して手術プランを作成します。 それにより手術のレンズ誤差を極めて減少させることができます。
■エラーのリスクを低減
作成された手術計画データは手術室に送信され、VERIONのイメージガイドシステムによって、角膜の切開位置、眼内レンズの軸や固定位置などが目の上に表示されます。 データ手入力によるエラーのリスクを低減することができます。
手術計画作成画面
イメージガイドシステムにより手術中、実際の目の上に投影されます
【当クリニックでは、患者様にとってより良い手術環境を整え、白内障手術のリスクを低減し、より安全で安定した手術を可能にすることで、より理想的な術後結果を目指します。】
術後にリラックスしていただくためにリカバリー室を準備しております。
▼手術前後の管理の面から必要と思われる方には分院の佐倉整形外科眼科病院にて入院をお願いすることがあります。
この佐倉整形外科眼科病院で手術をします理由は、麻酔科医師、看護師が常駐しており、手術中の全身管理において大学病院クラスの体制をもって手術を行うことができるためです。
手術に必要な検査について
手術に際して、全身状態及び感染症の有無を調べる必要があります。
これは、どこで手術されても必ず必要な検査です。検査は、患者さんのかかりつけの内科でお願いするのが望ましい為、患者さんの御担当医へ当院より検査内容をご依頼しています。
負担率 | 日帰り | |
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社保 国保 退 | 3割負担 | 約50,000円 |
老人医療 | 2割負担 | 約18,000円 |
老人医療 | 1割負担 | 約17,000円 |
※1・2割負担の方は月ごとの上限18.000円となります。
尚、生命保険ご加入の方は、ほとんどの保険で給付の対象となっていますので各保険会社の担当者にお尋ね下さい。
◆多焦点眼内レンズについてはこちらをご覧ください。